市長が謝罪|市民から多くの批判があった
これまで本ブログでも何度も取り上げてきた熊本市のプレミアム付商品券事業。
「早い者勝ち」の販売方式による大行列や、予算が少ないのに、市民以外も買えてしまう仕組みなど、多くの問題点を指摘してきましたが、ついに大きな動きがありました。
2月24日、大西市長が記者会見で一連の混乱について公式に謝罪したとの報道がありました。

他のソースでは、市民から苦情が多数寄せられたとの報道もあります。

今回は、このニュースの内容と、今後検討されている「販売方法の変更」に伴う新たな懸念点について考えてみたいと思います。
今回の事業のどこがだめだったのか|市が混乱の原因を自己分析
謝罪内容の詳細はニュース記事に譲りますが、アミュプラザくまもとでの深夜からの大行列や、各所での売り切れ続出を受け、買いたいのに買えない市民から、電話やメールで「ご意見」があったようです。
大西市長は、こういった意見に対し「こうした混乱を生じさせたことについて、改めて市民におわびしたい」と謝罪しました。
市長は混乱の原因について、以下のように述べています。
- 「急ぎすぎた」:物価高対策として家計の助けになるよう焦ってしまった。
- 「反省点」:時間的に余裕がなく、制度設計が甘かったことを認める形となりました。
当ブログでも「形だけの物価高対策」と指摘してきましたが、市長自ら「焦りがあった」と認めたことは、市民の不満がそれだけ大きかったことの表れだと言えます。
スピード感を持って物価高支援を進めたことが、裏目に出てしまった形です。
今後の変更する可能性がある点|抽選販売の依頼とプレミアム率の低下の懸念
この反省を踏まえ、市はこれから販売を予定している事業者に対し、販売方法を「抽選制」に変更するよう依頼する方針を示しました。
これまでの「平日の昼間に並べる人だけが買える」という不公平な状況を打破するための策ですが、実はここにも大きな壁が立ちはだかっています。
専門家からは「プレミアム率を少なくしてでも、広く分配することが望ましい」との指摘も出ています。市長自身も「一律配布のような公平性」の重要性に言及しており、今後もし同様の事業があるなら、この40%という高すぎるプレミアム率が見直される可能性もありそうです。
急な変更が招く問題点|団体・企業のコントロールと新たな「不公平」
販売する団体・企業が対応できるのか
すでに販売日程の決まっている団体・企業に対し、市長からの「お願い」をしたわけですが、事業者側からは「現実的ではない」という困惑の声もあります。
その理由は次のとおりです。
印刷物の修正が間に合わない
健軍商店街やイオン九州などは、すでに「先着順」と記載したチラシを大量に配布済みです。 今から内容を変えるのは、さらなる誤解や混乱を招く恐れがあります。
システムの構築コスト
以前の記事でも触れましたが、抽選システム(WEBやLINE)の導入にはお金も時間もかかります。 これを急に各事業者に強いるのは酷な話です。
対応のバラつき
ミスターマックスのように販売日を調整する企業もあれば、変更が難しい企業もあり、利用者側は「どこが抽選で、どこが先着なのか」をさらに細かくチェックしなければならなくなります。
せっかくの改善策も、実施のタイミングが遅すぎたことで、現場をさらに疲弊させる結果となっています。
市民側に発生する新たな「不公平」
プレミアム付商品券を購入する市民側にも新たな問題が発生する可能性があります。
すでに購入できている人と、そうでない人との間に、支援の「差」が発生してしまうことです。
売り切れの団体・企業や、1次販売を終了したアミュプラザなど販売されたプレミアム付商品券は、現在のところ有効なため、今後プレミアム率が低下した場合、変更前のプレミアム付商品券を購入できた人が大きなプレミアム率の恩恵を受け、そうでない人は低下したプレミアム率の商品券しか入手できません。
そこでも、再度「不公平」論争が再燃すると思っています。
抽選方式になった場合、もちろん買えない人も出てくるので、「早いもの勝ち」から「運ゲー」に変わっただけで、市民の大多数が不満に思っているところは、何も解決になっていないというのが、私の感想です。
まとめ|今回の混乱は、市の「独りよがりの親切心」が原因か?
今回の市長の謝罪と方針転換は、一歩前進と言えるかもしれません。 しかし、すでに「先着順」で買えた人と、これから「抽選」で外れるかもしれない人の間で、新たな不公平感が生まれることは避けられません。
プレミアム率40%という数字は魅力的ですが、専門家の方が指摘するように、プレミアム商品券事業そのものが、物価高対策と相性が悪かったと私も感じます。
市長の会見の中で気になったのは、次の言葉です。
「急ぎすぎたということだと思います。国から年末に急遽、決まったと(連絡が)きたということで、私たちは、一刻も早く、どうにかして皆さんにお届けできる方法はないかと。時間的に焦ったということは非常に今回、反省点としてございます」
生活支援の事業であるため、一刻も早く届けたいという気持ちは理解できますが、市民のニーズを吸い上げたうえでの判断ではなかったので、ここまでの批判に繋がったのだと考えています。 結局は、市の「独りよがりの親切心」だったということです。
先に購入できた人と、新しく購入する人の間で、大きな不公平感が出ないような、そして一部の人だけでなく市民に幅広く支援が行き届く方法が実現されることを、切に願いますが、ここまでの動き始めた事業を新たに再構築することは難しいでしょう。

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