南阿蘇村で、子育て世帯向けに赤牛とそばを現物で配る支援を始めたというニュースを見ました。
お肉とお蕎麦を受け取ったご家族は、とても嬉しそうです。
ニュースを見た時は、本当に物価高対策として意味があるのかなという疑問を感じましたが、最後まで見ると話が変わってきます。
- お肉とお蕎麦は子ども1人につき5000円相当。
- さらに、全村民に15,000円分の地域振興券とお米券を配布する予定です。
なんだか、熊本市よりも良さそう?
お肉とお蕎麦の現物支給は置いておいて、全村民に15,000円相当の商品券が配布されるなら、買った人だけに40%のプレミアムが付く商品券販売よりよほど平等だと感じました。
南阿蘇村の支援内容|現物支給は地産地消と地域経済活性化のため
ニュースから読み取れる情報を整理すると、支援内容は次の通りです。
- 子育て世帯に赤牛・そばを現物支給
- 全村民に15,000円分の商品券を配布
- 対象は村民全体
子育て世帯への、赤牛とお蕎麦の現物支給は置いておいて、村民全員に15,000円分の商品券を配布できるのはすごいですね。
地元産の赤牛とお蕎麦を活用することで、地産地消と地域経済の活性という相乗効果も狙っているとのことです。
熊本市の支援と比較してみた|商品券を買った人は得をする
このニュースには、2つの物価高支援の話が含まれており、熊本市での支援に置き換えると次の関係が成り立ちます。
| 支援対象 | 南阿蘇村 | 熊本市 |
|---|---|---|
| 18歳未満の子ども1人あたりの 物価高支援 | 赤牛とお蕎麦5,000円分と15,000円分の地域振興券+お米券 | 一律20,000円支給 |
| 住民1人あたりの物価高支援 | 15,000円分の地域振興券+お米券 | 購入金額に対し40%のプレミアム付き商品券 |
熊本市では、子育て世帯への支援は現金として支援されます。
しかし、全住民に対しての支援については、少し平等性に欠けると感じます。
その理由は次のとおりです。
- 商品券を購入できる人・できない人がいる
- 商品券を買うための出費が必要になるので、出費が出来ない人がいる
- 全市民に対して一律ではなく、商品券を購入する金額で支援額が決まる
南阿蘇村に対して熊本市の支援は、利用するかしないかで差が出てしまう点に疑問を感じます。
なぜ南阿蘇村は一律支援ができるのか?|自治体の規模の差が大きいと感じる
熊本市の全住民に対しての支援には、平等性という点で少し疑問を感じました。
それに対し、南阿蘇村では一律支援とのことなので、なぜそれができるのか考えてみました。
全住民に対する支援の構造
熊本市の全住民に対する、物価高対策の支援の構造は下記のとおりになっています。
政府=>熊本市=>プレミアム付き商品券発行団体=>住民
政府からの交付金を、プレミアム付き商品券を発行している団体を通して、間接的に支援を行っています。
一方、南阿蘇村については、明確なソースはありませんでしたが、ニュースの内容から考えると下記の構造となっていると考えられます。
政府=>南阿蘇村=>住民
行政が直接住民に対して支援することで、対象者の全体像の把握が容易となり、一律支援が可能なのでしょう。
自治体の規模の違い
南阿蘇村で、対象者の全体像の把握が容易な理由として、自治体の規模も関係してきます。
南阿蘇村は、直近公表データでは人口が約9,900人です。
出典:村の人口及び世帯数について 南阿蘇村ホームページ
一方熊本市では、735,181人と70倍以上も開きがあります。
出典:熊本市の推計人口(令和7年(2025年)12月1日現在) 熊本市ホームページより
熊本市は、更に細かい行政区に分かれていますが、南阿蘇村と同じように、全住民に対して、一律商品券とお米券の配布を行うと、コストと行政サービスの点で破綻するのかもしれません。
それを商品券発行団体を通しての販売となり、その手続きに別途コストが掛かってしまうため、直接支援を行う南阿蘇村と、支援の手厚さに差が出てしまうと考えます。
現物支給はアリかナシか|使いたい部分に使えない可能性もある
ただ、南阿蘇村での支援で疑問が残るのは、なぜ一部が現物支給なのかということです。
もちろん、この支援は多くの村民の方に対して喜ばれると思いますし、地産地消と地域経済活性化の趣旨も理解しています。
しかし、もともとの趣旨は物価高対策なので、水道光熱費やガソリン代、生活に欠かせない日用品などの購入に当てられる支援が好ましいと感じます。
別途、15,000円分の地域振興券とお米券が配布されることで、その点も対策されていますが、残りの5,000円についても住民の希望する用途に使えればよかったのになと感じます。
まとめ|物価高対策以外でも熊本市民として受けている恩恵がある
南阿蘇村の支援は、現物支給と言う点に疑問は残りますが、支援内容自体は熊本市より手厚く、平等性もあります。
しかし、それは南阿蘇村の規模感だからこそ出来る支援であり、村としての思いも込めた結果、赤牛とお蕎麦の現物支給という形になったと思います。
そして、熊本市も限られた条件の中で、「何を、誰に、どう届けるか」を検討した結果だと思います。
単純に支援内容として比べた時には、どうしても南阿蘇村の方が手厚く感じますが、そこだけで比較するべきではないと思いました。
熊本市に住んでいることで受けられる他の行政サービスや、人口が多いことで得られる利便性などもあると思います。
南阿蘇村ではありませんが、阿蘇方面で生活した経験のある私としては、数店しかない商店やコンビニ、1日数本のバス、1つしかない病院など、田舎暮らしのデメリットも十分承知しています。
普段から当たり前のように利用している行政サービスや、生活インフラなどの点も含めて判断すると、違った見方ができるかもしれません。


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